日記
花鳥風月
We are such stuff as dreams are made on. 僕たちは夢と同じもので織り上げられている
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「それでは、これで失礼します」

そういい残して部屋を出て行く青年に礼をいい、部屋の中へと視線を戻す。

つい先ほどまで空き家だったため、家具や荷物が置かれた部屋は散らかって見えた。

「引っ越し作業がどれだけ大変なのかは聞いていたが、まさかこれほどとは思わなかったな。

まあ幸い残っている荷物は少ないから、この分なら今夜中に終われそうだけど。」

そうつぶやいて、部屋の隅に置かれているダンボールのうちの一つを開け、

中から綺麗に折りたたんだ衣服を取り出した。

元々、ファッションにあまり気を使うほうではないから今回の引っ越しでも生活するのに最低限

の衣服があればいいだろうと思って普段着二着と学生服とジャージしか持ってきていない。

それらを備え付けのクローゼットの中にいれ、ふと空を見上げてみた。

少し開いた窓から見える月は綺麗で、それでいてどこか儚げな印象を持っている。

月の光はこの世界のことを全て知っているような気がして、なぜか妙に安心した。

今まで意識して月を見たことがなかったが、こんなに綺麗な月を久しぶりだと思う。

「でも、本当にいい町だよな、ここ」

夢見町、というのがこの町の名前だ。

変わった名前だな、というのが始めて聞いた時の感想。

でも、実際に町に来て分かった。

この町は都会とはいえないごく平凡な町だけど、時折吹く風やたくさんの緑、キラキラ光る太

陽に、幻想的で美しい月、そしてなにより、透き通った青い色をした海が鮮やかな色を町に施

しているように見えた。

あたかもそれは『理想《ユメ》』という夢を見ているような気がして。

おそらくは、『夢を見せてくれる町』という意味が「夢見町」に込められているんだろうと思っ

た。

「夢見町、か」

もう一度、空を見る。

相変わらず月は綺麗に輝いていて、僕は月に向かって手を伸ばした。

「まあ、つかめるわけないよな」

月は、僕らの手の届かないところにあって、夜を照らしてくれている。

それは当たり前のことなのに、とてもすごいと思った。

「それじゃあ、残りの荷物の片づけして明日に備えるか!」

この『夢を見させてくれる町』で、僕はどんな夢を見るのだろうか。

答えは月だけが知っているような気がした。


駄文ですみません。
自称物書きなのでこれが現時点で出せるレベルです。
感想、評価、その他待ってます。
残念ながら誹謗、中傷はお断りです。

海が泣いている。
海が笑っている。
海が怒っている。
おそらく私は波の音を聞いてそう感じたのだろう。
押し寄せては退いていき、退いては押し寄せる。
ただ一つとして同じもののない波が、私には海が喋っているように聞こえた。
泣いているような口調や、怒っているような口調に、笑っているような口調。
海が私に話しかけているような気がして、私も海に話しかけた。
一緒に泣いて、一緒に笑って、一緒に怒って。
ずっと一緒にいるうちに私にはたくさんの友達ができた。
この世界を照らしてくれるお日様。
毎日形を変えて出てきてくれるお茶目なお月様。
私の頬を優しくなでてくれる風。
可愛らしい鳴き声で私の心を癒してくれる小鳥たち。
数え上げればきりがないほど私の周りは友達であふれていた。
でも、いくら友達がいても、いくら海が話しかけてきてくれても、私の心はなぜか満たされない。
まるでドーナツのように心の真ん中に穴が開いたような気分。
そんな私に、ある日海が言った
「お前さんには愛情がない。私たちに向ける気持ちは好意ではあっても愛情ではないよ。私たちにできることは少ないけれども、お前さんが本当の愛情を注げるような存在が出来るようにお前さんのそばから祈ってるよ。」
思わず涙があふれそうになった。
心配をかけていたことを謝ろうと思った。
それでも、私は笑った。泣いてしまったら余計にこの優しい友達は悲しむだろうから。
いつの日か私の心の穴が埋まるその日まで私は笑って生きよう。
私はそう決意した。

波の音が聞こえる。
それは泣いているのでも、笑っているのでも、怒っているのでもない。
ただ一言「がんばれ」と言っていた。